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2023年9月の投稿

2023年9月30日

最後の単身赴任

 私の最後の単身赴任は、定年前の58歳のことだった。もうこれで最後となる勤務地は佐賀県唐津市だった。
北九州市からは130キロ程の距離だから「金帰月来」の単身赴任者には車移動が丁度よいものだが、福岡市近郊が渋滞するので高速道を半分使う
ことにした。しかし、これまでの単身赴任の経験からも時には列車での帰宅も併用していた。

 唐津は、ずっと以前から興味のある土地だった。歴史ある街で親藩の地でもあるからだ。また、秀吉の朝鮮出兵の地である北部の名護屋城に実際に出かけてみたいとずっと思っていたからだ。

60歳定年までの2年間勤務だと解っていたので、これがもう最後のご奉公だと思い、しっかりと仕事しないという思いも募っていた。着任早々から出来る限りのアンテナをはって、管内地図を睨みながら県内各地の状況を再度把握してからとりかかった。やはり、地理的な特徴も考慮して、観光や危機管理防災の仕事も追加してしなくてはと思っていると次第にその方向性が見えて来たのである。

その土地に沿った交通体系や観光促進が重要だと思えたからだ。県内各地にはまだ埋もれた観光資源があるのに未だに活用されていないことにも気づかされた。そうこうしているうちに一年が過ぎ去った。これまでの経験からしても一年経過して、二年目である程度の形として残して行かないといけないという焦りに似た思いが強まった。

帰省出来ない休日には趣味の歴史街道(太閤道)も実際に歩いたし、名護屋城跡の周辺もじっくりと歴史探索してみた。あの呼子の大綱引きや唐津くんちの行事にも触れてみた。
また佐賀バルーン大会にも早朝から出かけてみた。伊万里焼のことを知ると薩摩焼と同じ文禄・慶長の役で朝鮮から連れ帰った陶工達の優れた技の長年の集積の結果の歴史なのだと知った。と同時に日韓文化の相互理解と尊敬が必要なのだと思いに至った。そうした深い認識をすることが出来たのもこの地での勤務のお陰だった。勤続疲労の蓄積で、遂に体調を壊し50代中頃から精神的に病んで落ち込んだ時を経ての最後の勤務地での充実した単身赴任生活は私の職業人生に良き思い出となっていた。

私の合計6年弱の単身赴任生活は、当初は気苦労もしたけど赴任先で楽しみを見つけて過ごしていたが、よく考えみれば自分のことだけに専念すればよいだけで、自宅に残した妻の4人の子育ての大変さを察することはなかった。遅まきながら妻の下支え苦労に感謝しようと思ったのである。


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2023年9月28日

予想外の単身赴任のこと

 初めての二年間単身赴任を終え、2003年春に自宅から通勤生活となった。これで、二年間は自宅から通勤となるとホッとしてしていた。
しかし、わずか一年間でその淡い期待はすぐに潰えた。通常ならば、単身赴任二年間で自宅通勤二年となるのが一般的だった。

青天の霹靂ともいうべき二回目の単身赴任先は、熊本の天草に近い町だった。北九州から250キロ程の距離である。

この距離ならば高速道を最大限に活用しないと週末帰宅も苦労する距離である。また、初回の佐世保市と比べて色々と難儀することが多かった。
それでも一度は単身赴任したという経験があることが心強かったし、丁度、単身赴任二回目の先輩も同じ宿舎にいたので、何かと助かった。

丁度12年間乗ったディーゼルエンジンのワゴン車を排出ガス規制対応のガソリンワゴン新車に買い替えたばかりだったから移動は少し楽しかった。しかし、毎金曜勤務後の北九州への車帰宅は疲れるので、特急列車での帰宅パターンが主流となった。

今度の赴任先は天草五橋の入口付近にあり、鉄道も終着駅なのは良いが、熊本駅までは普通列車だった。車窓から眺める有明海の海は穏やかで遠くに島原も見えていたのが今も脳裏に焼き付いている。自然豊かな有明海の海産物や豊富な柑橘類(清見、デコポン)を味わえた思い出がある。
仕事で、天草半島の先端の牛深には何度か行ったが、台風の通過地だが温暖な海洋気候の素晴らしい所だった。

あの「天草島原の乱」の歴史の奥深さにも触れ、天草と島原の繋がりや知られざるキリシタン教徒の苦悩の生活にも知ることが出来た。
また夏季休暇を利用して、車で九州山地を縦断して帰ったことも今では楽しい思い出の一つとなっている。

そうしてまた単身赴任二回目も経験することが出来たことは、私の職業人生に厚みを増してくれたと今では思っている。
二年間の単身勤務を終えて、三角町の宿舎を後にして帰宅の途上で、思ったのはもう一度はあるであろう最後の単身赴任のことだった。

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2023年9月27日

初めての単身赴任の思い出

 ふと22年も前の単身赴任のことを思い出した。国の地方出先機関の公務員だったから九州七県が異動が前提でだった。
就職し、結婚してからはずっと妻子と一緒に宮崎や福岡の数か所の勤務地を移動した。子供の小学校入学してからも二回程転校した。
しかし将来の転校での問題を考慮し、40代の初めに自宅マンションを思い切って購入した。

これで、単身赴任の準備はしていた。そして遂に、平成13年春に佐世保への転勤辞令がでた。今でも忘れもしない4月3日の朝、桜の花びら散り始めた頃にワゴン車に当面の生活に必要な服や布団などの最小限のもの詰め込んで、西海の地の佐世保へと向かった。
高速道は使わずに、国道を最短距離で走ったが、北九州から180キロ程の距離だけども初めての場所への移動は意外と時間がかかり過ぎて、結局は一部高速道も使う羽目となった。そうして、やっと佐世保の北部の宿舎にたどり着いた。

荷物を運びこみ、当面の異動手続きを済ませて週末までの3日ほど勤務して、金曜日の夜に北九州の自宅に戻った。そして、日曜の夕方にまたワゴン車に追加の荷物ケースを積み込んで佐世保に向かった。今度は高速道を利用したから予定した時間どおりとなった。

なにせ初めての単身での新生活だから要領が解らないことだらけ。しかし、先輩から最初のうちは週5日勤務し、自宅に帰るパターンを確立したら良いとアドバイスを貰った。また毎日の食事は落ち着いたら自炊すれば良いし、洗濯物は持ち帰れば良いと当分は洗濯機も買わなかった。
そうして三ヶ月もすれば、自分なりに自炊することも出来た。勤務帰りにスーパーでその日の気分で買い物するパターンだ。季節の食材を選んで、朝食の準備も要領よくすれば、何とか出来る自信はついた。しかし、夕食の献立は悩むことも多々あったが、職場の単身赴任者達と時に飲み会で済ますこともあった。慣れてくれば、色々と応用することが出来るものだ。

単身赴任中に次男がラグビー練習中に肩の骨折で急遽帰った時もあり気掛かりなこともあったが、二年間の単身赴任も何とか楽しく無事に勤めことができた。
その後に予想だにしない二回目の単身赴任が、突如やって来るとはその時は、夢想だにしなかったのである。

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2023年9月16日

物は考えよう

 今年の夏は何時まで続くだろうかと思う程の猛暑が9月中旬まで続き、日中はなかなか外で動き回ることが出来ない。
私には、自然ウォーキングが肉体的にも精神的にもスッキリとした気分になれるから続けているが。
しかし、先人の人が言う「ものは考えよう」で、上手く時間をずらしたり、日陰コースを歩いたりと工夫している。

思えば一軒家の実家を出て県外の大学と就職してから各地のアパート住まいで転々としていた。そして中年過ぎになってようやく子供の転校問題を考えて自宅マンションを35年ローンで購入したが、ずっと猫の額ほどの庭も畑もないままに定年となった。
その間ずっと各地の住宅周辺のウォーキングをしながら健康維持に努めていた。ウォーキングコース途上に庭のある家を見るたびごとに羨ましくて仕方なかった。
小さな庭や家庭菜園のことがずっと心の底に引っかかっていた。
特に、定年前頃からは、その願望は強まるばかりだったが、まあそういう環境にない定めと自分に言いきかせていた。

そんなことを考えながら今は家のすぐ前の数千本のバラもある公園周辺をよくウォーキングしている時にふと閃いたのである。
自分にはの庭も畑もないが、こんな近くに立派なバラ園や広場や子供公園も併設されてる緑多い公園が、何時でも利用できるのではないかとふと思った。所有せずとも頻繁に利用可能である。そんな幸運に気付いていない自分は、何を見てウォーキングしたのだろうかと・・・。因みにこの公園は、小さな円形古墳があり、古代人も住んでいたと思うと住みやすい立地なのだろうだと思った。

一つのことに凝り固まる考えは、駄目だと改めて思った。特定の考え方に固執してしまい、他の考え方ができないことはよく考えてみると生活の上で多々あるのだ。この際、他のことでも考えてみよう。発想の転換をしてみると如何に自分の頭が、柔軟でなかったのか思い知らされる。
自然を感じならのウォーキングの妙味は、こうした頭の整理、考え方の転換に役立つものだと高い空の秋雲とその下方に夏雲が混在している青空を眺めて、少しばかり汗ばんたが心は軽くなったきた。

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