大雪の思い出
昨夜から10年振りの寒気団が日本全土を覆って、各地で道路交通や交通機関での障害を引き起こしている。
昨年末に日本海側で大雪の教訓で、雪国の人達は、かなり事前準備しているようだが、それ以外の地域は対応の甘さが出たのか、天候の急速な変化に対応出来なかったのだろう。
南米沖太平洋の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」も終息に向かい平年並みに戻るとの予報も一部にあったようだが、結果は10年振りの寒気団が日本列島を襲ってきたようだ。
私が退職して、関西に転居してから経験する積雪である。日本海に面する北九州地方出身の私は、積雪は珍しくはない。
それでも最近は、地球温暖化の影響か数センチ程度の積雪は珍しくなっている。また瀬戸内海に面する兵庫は、この時期雪は降ったとしても積雪は少ない地域である。
そんなことを思っていたら、私の少年時代の鮮烈な記憶に残っている気象庁命名「昭和38年1月豪雪」(通称さんぱち豪雪)のことを思い出した。
強い冬型の気圧配置が続き、北陸地方を中心に東北地方から九州地方までの広い範囲で大雪となった。特に平野部では記録的な大雪となり、北部九州でも30cm超えの積雪だった記憶のある大雪の体験だ。北日本の数m近くの積雪ではないにしても少年の私の記憶には「豪雪」として脳裏に刻まれている。
その日はあさから雪がかなり舞っていたが登校したが、雪は降り続いたので、確かお昼前には下校ということになった。
下校する際の積雪量は、長靴の上の辺りまで高さだったから、難儀しながら帰った記憶がある。田んぼとその横の小さな道が区別つかないほどで、辺り一面が、文字通り大雪原場の様相であった。途中下校だから、喜ぶという感じもあまりしなくて、雪降り続くし、寒いからから早く家に帰りたい思いでいっぱいだった。
それでも家に帰れば、家の前の庭で積もった雪で、雪だるまやカマクラを作った遊んだ。それ程の積雪量だった。竹林に積もった雪の重みで、しなっている様を見て、こんなに大雪降るんだと子供心に驚いていた。
そんな記憶が蘇り、あれはもう57年も前の遠い昔の話だなんだとしみじみ思い、窓外から見える屋根には珍しくまだ残雪もあり、灰色の空からまた雪が舞い始めている。



最近のコメント