古人の歩いた道を辿る(その2)
京都散策するならば、以前から北側だと思っていた。と言うのも北西部には平安貴族の別荘である離宮もあるとう思いからだ。
ということで、あの第52代の嵯峨天皇の離宮のあった大覚寺を目指して歩くことにした。阪急嵐山駅から渡月橋を渡り、天龍寺の横を抜けて歩く。
足利将軍家と後醍醐天皇ゆかりの禅寺として京都五山の第一位である天龍寺には、既に三度も行ってはいる。あの借景庭園と池を眺めているだけで
心落ち着く場所で、初代住職の無窓疎石も眺めていたということからも、私のお気に入りスポットなのであるが。
旧嵯峨御所である大覚寺は、何やら御所風という印象だが、かなり広いし、コロナ禍ということもあり、一部は公開制限もあってる看板もあった。
境内の塀沿いに北上し山麓沿いを歩いていくと一面のどかな田園風景が広がっていた。
流石にこの辺りには、人影もなく、見渡す限りの田んぼであるから安心してマスク外して、ゆったりと新鮮な空気を吸い込んだ。
この風景は、何も大きな開発もされてはいない千代の古道の雰囲気を今も残しているような雰囲気である。近くには観月の池で有名な広沢の池があるのだが、まだ眼下には見えない。
そうして早春の田んぼ道をゆったりとしてペースで歩いて行くと左手に東方に水面が広がっているのが少しだけ見えてきた。近くには後宇田天皇陵もあるらしい。山裾の竹林の中を抜けて進むと月見の名所の広沢の池の淵に着いた。池の西端で池に突き出る小さな島(人工の観音島)に架けられた橋で、池や山裾を見渡す。
そうして振り返って、小倉山や愛宕山あたりの山々と広沢の池とが、秋の月見に似合うことも少しイメージしてみたのである。
古来からの観月の池として、西行も芭蕉も蕪村など数々の歌に詠まれたこの辺りの山と池のロケーションにも感慨深いものがあった。
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